コンセプト
リチャード ル ブーランジェは、ハワイ オアフ島のカントリーサイドで、
ビーチハウスが点在しているようなオールドタウン ( ハレイワのような町 )に佇む、
ローカルの為の 暖かいベーカリーカフェ をイメージして、
鎌倉の レジェンドタウン である 稲村ガ崎 に建てられています。
外壁も含めて、作れるところはすべて無垢材を使用していて、
店内はもちろんのこと、通常のパン屋では有り得ないキッチンの床や棚まで、
可能な限り木を使っています。
何故なら、、、
木の持つ自然なちからと優しい香りを、
リチャードのパンに反映させたかったからです。
パン生地を直接載せて、丸めたり切ったりする作業台にも、
リチャードでは敢えて手入れがしづらい木製を使用していますが、
やはり木の持つ温度変化の影響を受けにくいという性質が、
パン生地にとても優しいからなのです。
パンづくりの理念
リチャードのパンは、いわゆる、「ドンドン、パンパン!」と荒っぽく大量に生産されていく、
路面店のベーカリーと比較して、
全ての工程で、やさしく、ゆったり、まったりと作られています。
そのためにも、キッチンでは作り手の気持ちが常にゆったりと優しくなれるように、
いつでもハワイアンミュージックが流れています。
" Pain de mie " の成型なども、一般的な機械を使用せずに、
優しくひとつひとつ丁寧に成型してあげることで、
全体的に良く焼かれているトップの色合いにもかかわらず、
パンの耳(皮)が、とても柔らかく焼き上がっていることにお気付きの方も多いかと思います。
" Pain de Campagne " とは
カンパーニュ とはフランス語で田舎や田園という意味だそうです。
そうなんです。フランスの伝統的なパンとして地方それぞれの配合や製法が今も引き継がれている、言わば”ふるさとのパン”なのです。
昔、フランスの田舎では、家族の人数にあわせた1週間分のパンをまとめて時間をかけて発酵させ、じっくり焼いていたそうです。
それは多くが、ライ麦入りの丸くて大きなリーン ( 油脂や乳製品の入らないシンプルな配合 ) なパンでした。
丸い形をしているのは、丸い編みかごにいれて発酵させるからです。
焼く直前にかごからひっくり返して石窯のオーブンの床に移して直焼きしていました。
このパンは、いわゆるバゲットなどの他のフランスパンに比べて老化が遅いという特長があるので、人々はパンを毎日端から切って食べていたそうです。
でもすこしずつパンは硬くなっていきますよね。
フランス料理は、そんな日を追うごとに硬くなるパンをおいしく食べるために、ソースが発達したとも言われています。
リチャードのカンパーニュの特徴
①あえてしっかりこねることで生地のグルテン(骨格)をつくり出し、
ボリュームが大きく膨らむようにしています。
②低温で長時間、十分に発酵させることによって醸し出される、
腰のすわった深い風味とコク
③酸味はなく、レーズン酵母による適度な甘みがあり、
弾力感のあるしっとりとしたクラム(中身)
④じっくり高温で焼き込まれることによる香ばしい香りと、
歯応えのある食感のクラスト(皮)
( 高温で焼き込む為、クラストが焦げないように多めに粉がふられています )
パン本来の旨味のある素朴な味わいは、料理との相性がよく、
煮込み料理の味を一層ひきたてます。
薄めにスライスしてのトーストはもちろんですが、独特の弾力感のある食感は、
小さくダイス状にカットしてチーズフォンデュにもぴったりです。
シェフのおすすめ
薄めのトーストに、バターとクリームチーズ・コンフィチュールなどを塗ってお試し下さい。
リチャードのカンパーニュの材料
フランス産小麦粉、北海道産全粒粉、ドイツ産ライ麦粉、北米産小麦粉、フランス産ゲランドの塩、モルト、水、自家製葡萄酵母種